構造材に国産の木を使えるような乾燥技術の向上を進める
2016/12/06
土手加藤材木店の加藤です。
今日も朝からよく晴れて気持ちのいい日になりそうです。
いま日本国内では戦後に行われた植林による木材が山でピークを迎えています。
このピークと表現は木が成長して使うのにちょうどいい頃になったという意味です。
主に杉と桧がそれにあたります。
春になると猛威を振るう杉花粉も、
この戦後の植林政策が一つの要因になっているかもしれません。
いつも材木市場や各生産地に行って思うのですが、
これらの国産の木の流通をもっと使いやすいようにしてもらいたい。
せっかく木材が余っているのだから。
いつでもどこでも国産の木が使えるようになってほしい。
それには一つだけ整備が必要で、
それは木材の乾燥を一定になるようにしてもらいたいという事です。
含水率を皆すべて同じにするということでは無く、
どこの工場から出荷してもJAS同等の乾燥にしてもらいたい。
誤解の無い様に書きますが、懸命にこの基準に合せようと日々苦労されている製材工場も沢山あります。
彼らとこの木材乾燥に関して議論すると時間の経つことも忘れてしまします。
またもう一つ付け加えたいことは、木材の等級をきちんと現代に合わせて分けてもらいたい。
昔ながらの一等、2等、無節ではなく一律の公称にしたほうが分りやすいです。
特に3階建てのように構造計算が必要な案件では、
強度のバラつきがあると本当に頭が痛いです。
E-90やE-110の部材ももっと流通に乗せられればと常に思います。
それらが出揃って初めて価格によってどの木を使うのかということになれば理想です。
木を使う全国各地の設計者や工務店は同じ思いであると思います。
一昔前は木の乾燥について、私達材木のプロでも様々な議論がありました。
それでも時代が流れて、
全国の生産者の努力により高度な乾燥技術が開発されました。
ならば次はもっと流通しやすい仕組みを作り上げてもらいたい。
下町材木屋オヤジの切なる思いです。