材木は乾燥してから使うことが大切
2022/06/29
おはようございます。
土手加藤材木店の加藤です。
今日は材木の乾燥についてです。
土手加藤もそうでしたが、
昔は町の材木屋が市場などで材木を買い付けると初めに行うのが材木を立てる事でした。
これは材木を立てる事で材木を乾燥させることが目的でした。
いまでは滅多に見られなくなった光景ですがね。
材木は山で伐採された直後は部材自体の中に沢山の水分を含んでいます。
材木の中にあるどれだけの水分があるのかを含水率と呼んだりしますが、
この含水率の数字が低い方が良く乾燥した材木という事になります。
材木を乾燥させる手段は自然乾燥、水中乾燥、機械乾燥などがありますが、
それぞれ特徴があります。
水中乾燥は材木を丸太のまま水の中に浸けておいて時間をかけて水分を減らすという手法で、
自然乾燥は丸太もしくは製材された材木を自然の風によって乾燥させるという手法、
機械乾燥は文字通り機械によって材木を乾燥させる手法で最も短時間で乾燥させることが出来ます。
材木は水分が抜けていく段階で材自体が変形する習性があります。
この事から、梁や柱などの荷重が長期でかかる部材では、
乾燥が良く無い部材を使用することは避けなければなりません。
また材木は水分を多く含んだ状態では強度が低くくなるのが特徴です。
柾目か板目かの製材方法による収縮の違いはありますが、
乾燥の違いによって強度は変わります。
特に梁などはクリープ変形に対する注意が必要になります。
材木は乾燥させることで変形を防ぎ、強度も確保することが出来ます。
無垢の材木を使う場合にはその特徴を良く見極めて使うことが大切ですが、
日本では大工職人や家具職人がこの特性を良く見極めて使ってきました。
木の文化を守る為には木の特性を良く知ることは大切です。