木で造った水槽が出来ました
2016/12/06
おはようございます。
土手加藤材木店の加藤です。
以前ご紹介した木の水槽ですが、ついに完成しました。
後半の製作段階から再度ご紹介です。
木で造る水槽なので一番の懸案事項と言えば・・・漏水です。
無垢の木なので、その時の湿度や木のクセなどをよく見極めて作成します。
水槽の底盤部分の製作段階です。
使用している部材は桧です。
桧の板を突き合わせて底盤を造っています。
この時の突き合わせ部分のサネの具合がすごく難しくて、
サネがきつすぎると割れてしまうし、緩すぎると水が漏れてしまします。
今回桧の香りを楽しみたいというお客様からの要望で、
塗料は入れませんのでいよいよサネの精度が要求されるんです。
左側の溝の部分に底盤が組み込まれていきます。
この水槽の縦枠も幅が広いので板と板を突き合わせています。
本来なら一枚板を使用すれば突き合わせる必要が無いのですが、
幅広の桧は大変値段が高くなるので、
このように板と板を突き合わせています。
ここの底盤との組み込み具合がまた難しい・・・
作業する大工は何度もサネの状態を確かめています。
水槽をひっくり返して先ほどの縦枠を上からはめ込む作業です。
この部分の作業が最も難しい所で、
サネがきちんとかみ合っていないとはまりません。
無垢の木なので少し時間が経つとサネに狂いが出るので、
その分を見込んで最後の作業にかかります。
また水槽なので、無垢の木は水分を含むと材自体が膨張する特性があります。
また乾燥すると縮小するので、
サネに少しばかりの余裕をもたせて、
木の膨張でサネ同士の隙間を埋めて漏水を防ぎます。
さて、完成してお客様の所にお持ちしました。
漏水検査を作業小屋でもしましたが、
納品から一日たっても漏水は無し。
良かったー。
ほっとしました。
ここまでくれば漏水の心配はありません。
桧と金魚のコントラストがいい感じです。
苦労したかいがありました。
初夏に木の水槽とうちわが涼しげです。
そして・・・
下町の夏はやはり風鈴。
風鈴と蚊取り線香と生ビール・・・
今年も暑い夏が来そうですね。