3階建て住宅を建てる時には構造計算書が必要です
2016/12/06
土手加藤材木店の加藤です。
家を建てる時には工務店やハウスメーカーと建築請負契約書を相互で締結することになります。
この時に必要な書類は平屋や2階建ての場合に関しては「設計図面」、「仕様書」、「見積書」です。
設計図面は、平面図、立面図、断面図、配置図などがそれです。
仕様書は打ち合わせの時に皆さんが選んだ外壁の色や品番、クロスの品番や、タイルの色、
キッチンの扉の色やレンジフードの品番、フローリングの材種など、
設計図面に記載された部材の詳細や、メーカーの品番などが書き込まれています。
この設計図面と仕様書を元に見積書が造られます。
建替えの場合にはこの見積書に既存住宅の解体工事の金額も入る場合も当然あります。
そしてその見積書に提示された金額でよければ建築請負契約に進むことになります。
3階建ての場合にはこの設計図面、仕様書、見積書にもう一つ「構造計算書」が含まれます。
この構造計算書とは、3階建て以上た建築物を新築や増築させる場合に必須になるもので、
具体的にはその建物が安全であるかどうかを計算によって検討をするというものです。
平屋や2階建ての場合には建築基準法によってこの構造計算を必須とする必要はありませんが、
筋かい計算や偏心率や壁量計算などの簡易計算は行われています。
この構造計算は基礎の鉄筋量が妥当なのか、
地震力や風圧力に耐えることが出来るのか、
建物の偏心率(剛心と重心の距離)が許容値以下か、
梁の断面は妥当なのかなどを細部にわたって計算する事で、
その建物の安全性を検討します。
ただし2階建ての場合でも必要とあれば構造計算は行われます。
この構造計算書で建物の安全性が担保されないと、
いくら素晴らしいプランでも建てることはできません。
ですので建築請負契約の時にこの構造計算書が必要になります。
お客様との打ち合わせでプラント仕様が決まってから初めて、
構造計算を行うことになるケースが多いので請負契約には少しばかり時間がかかります。
ただプラン作成段階から構造計算で不可がでないように図面作成するようにしますし、
ある程度プランが出来た段階で構造設計会社にプランを送って意見を求めるようにします。
土手加藤でも普段は国産無垢材の梁を使うようにしていますが、
3階建ての場合には強度が高い集成材の梁を使うようにしています。
これは都心の狭小地では高度斜線が厳しかったりするので、
その斜線制限をかわす為に強度の高い集成材を使うことで、
建物の高さを抑えるための工夫でもあります。
本日のブログは構造計算についてでした。