木を使った新国立競技場の新たなデザイン案ができました

      2016/12/06

新国立競技場の画像

 

土手加藤材木店の加藤です。

 

昨日の新聞やテレビでも取り上げられていましたが、

新国立競技場建設に向けての2つの新たなデザイン案がでたようですね。

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けてようやく一歩動き出した感じがありますね。

 

イギリス在住の女性建築家ザハ・ハディド氏がデザインした、

キールアーチの屋根が特徴の外観が私達の頭にまだこびりついている感じがあります。

なんと斬新で美しい曲線を描いた建物なのかと思いましたが、

当初の予算よりもかなりオーバーになるということで残念ながら白紙撤回になってしまいました。

 

この件以降再度コンペを行い出そろったのが今回の2つのデザイン案です。

 

 

新国立競技場の画像

完成イメージ画像引用=日本スポーツ振興センター

 

通常新国立競技場建設おような大型プロジェクトの場合には、

注文者がいて設計と管理を行う設計者と、

施工を行う建設会社の3つに分けられるのが一般的です。

今回はデザインをする設計者と施工を担う建設会社の共同作業によって、

新たなコンペへのエントリー資格があるという珍しい形式ですが、

設計と建築を一体としたデザイン案とすることで、

1500億円以内という予算を超えないようにするための方針なんでしょうね。

 

すったもんだの出来事はありましたが、

2020年の開催まで5年無いのでスムーズに着工することを願うばかりです。

 

というかJOCは2019年には会場を使用できるようにというコメントを出しているので、

時間的余裕は全くないというのが本音でしょうね。

 

それでも最終的なデザイン候補が出そろったことには国民とすれば一安心です。

 

ところで出そろった新国立競技場のデザイン案ですが、

どちらも「杜のスタジアム」というもので、

少しは違ってたほうが良かったかなという感想はあります。

 

名前が一緒なのでA案、B案という呼び方になっているのかもしれませんがね。

 

どちらの案も環境に配慮したデザインになっていて、

欲を悪くもザハ氏のデザインよりはシンプルになっているような気がします。

 

新聞をよく見るとこの新国立競技場のデザイン募集の基本的な要望の中に、

どうやら「木の活用を図る」ということがあったようですね。

 

実はこの「木の活用を図る」というフレーズは、私達工務店にとっては聞きなれていて

そうです・・「木材利用ポイント」でした。

この制度はすでに終了しましたが、

弊社でもこの制度を利用した注文住宅をしたので良く覚えてます。

 

話を新国立競技場に戻しますが私自身勉強不足で知らなかったのですが、

この「杜のスタジアム」という名前を聞いた時に何となく木を連想させるイメージを持ちました。

どうやらそのようですね。

また、基本要望の中には「日本らしさ」という文言も入っていたようで、

これによって注目の「木の新国立競技場」のデザインになったのですね。

 

国を挙げて木の活用を盛り上げるという事なんでしょうかね。

 

実際の案はどうなっているのでしょうか。

 

A案は建物に庇を出すことで水平ラインが美しい外観で、

屋根にも多くの木材を取り入れているデザインが印象です。

また建物の高さを50m以内に抑えることで、

周囲の環境に溶け込むようなデザインになっていることも特徴といえるでしょうね。

 

B案は神殿をイメージさせる72本の高さ17mの木製の柱が最大の特徴で、

屋根が流線型な形状なのも特徴ですね。

建物の外部は壁を可能な限り無くして開放的にすることで、

周辺の環境に配慮するデザインになっているようです。

またこのA案と特にB案で採用される木製の柱は、

集成材と呼ばれるもので木のチップや薄くスライスした木を、

特殊な接着剤で固めて作るもので、正式にはエンジニアードウッドと呼ばれる木材です。

また製造段階で耐火性能を極限まであげることができる部材です。

 

木の活用方法がまたひとつ広がった感じがあります。

 

いずれも木を取り入れた日本の伝統美を象徴していることは間違いないでしょうね。

 

どちらのデザインになるのか楽しみですね。

 

それではまた次回お楽しみに

 

土手加藤材木店公式ページはこちら

 - スポーツ, 社長のつぶやき