柱の背割り
おはようございます。
土手加藤材木店の加藤です。
暑い日が続きますが先週からほんの少しだけ厚さが和らいでいるような気がします。
会社の前のムクゲがきれいに咲いています。
もうそろそろ終わりなのですが、この花が見頃を終えると秋の到来でしょうか。
柱には背割りと呼べれる溝があります。
こんな感じで柱の外面から材木の芯部分に向けて一面だけ溝が施されているのですが、
これは昔から行われてきた木材の乾燥方法です。
柱は断面が大きいので乾燥がなかなか進まないので、
このように溝を施して柱の芯まで空気に接することで乾燥させます。
昨今の言い方ですと「天然乾燥」ということです。
ただし各製材所によって、丸太から製材をした状態で桟積みで天然乾燥さた後に、
低温の乾燥機で乾燥させるという方法行っている製材所もあります。
低温乾燥はやはり本来ある材木自体の繊維を傷めず、
材木の木肌が保たれるという点があります。
未乾燥の材木は表面から水分が抜け始めて、
徐々に材木の芯部分の水分が抜けます。
この背割れをしないと柱の所々に割れが発生するので、
見た目が良くないこともあり1面に背割りをします。
ここで柱にこのような溝があると心配する声もありますが、
背割りのある柱の強度については問題はありません。
昔の住宅は和室と呼ばれる畳の部屋が多く、
この和室では柱を現しにすることが一般的だったので、
特に桧などの高級な柱には背割りをして表面の割れを防ぐことfも行いました。
いまでは大壁の住宅が増えて、
乾燥技術も進歩したことから背割りのある柱は滅多に見ることが無くなりました。
時代の変化をつくづく感じさせられます。