光熱費削減には断熱性能を上げる
2016/12/06
おはようございます。
台東区の土手加藤材木店の加藤です。
今日は12月24日 クリスマスイブですね。
街中は何やら華やかな雰囲気に包まれている感じがします。
朝方には雨もやみましたが残念ながら夜には再び雨の予報。
気温も冷え込んでもしかしたらホワイトクリスマスかもしれませんね。
さて昨日は断熱材の役割について書きましたが、今日はその断熱材が私達の暮らしに与える影響を書いてみます。
世界的にも環境問題がクローズアップされていますが、根本的には各国が経済成長を望むが故の現象とも取れます。
経済が豊かになった日本はどのような方向に進むべきかも考えさせられます。
石油や石炭などの化石燃料を燃やしてCO2排出するのか、リスクを承知で可能な限り原子力に頼るべきか、
またはコストがかかっても再生可能エネルギーに向かっていくのか・・・・
成熟した生活を手に入れた私達の暮らし方も変わるはずです。
その一つのアイテムが省エネであることは間違いないでしょう。
私たち自身も省エネに関してはやはり気になります。
国もその方向に動こうとしていて、
住宅業界は、2020年までにすべての新築住宅に関して平成25年にできた省エネ基準に段階的に適合させなければなりません。
この動きは実は大変意味があって、工程通りに行われると2020年以降は省エネ基準を満たさない家のプランは建てられなくなります。
この様に書いても一般の人たちにはまだピンとこないかもしれませんが、
具体的に新省エネ基準にした場合にどれくらいの光熱費の削減ができるのでしょうか。
もっと分かりやすくいうと、断熱性能を上げることで具体的にどれくらいの光熱費の差が出るのかという事です。
省エネ基準は過去何度か改正されてきていて、その基準値で比較することになります。
断熱性能の違いによる冷暖房費の比較
省エネ項目 | 断熱材無し | S55年基準 | H4年基準 | H11年基準 |
断熱材の厚み(外壁) | 無し | グラスウール30mm | グラスウール55mm | グラスウール100mm |
断熱材の厚み(天井) | 無し | グラスウール40mm | グラスウール85mm | グラスウール180mm |
窓の仕様 | アルミサッシ+ガラス1枚 | アルミサッシ+ガラス1枚 | アルミサッシ+ガラス1枚 | アルミサッシ+2枚ガラス |
年間冷暖房費 | 約133,000円 | 約92,000円 | 約75,000円 | 約52,000円 |
年間エネルギー消費量 | 約56GJ | 約39GJ | 約32GJ | 約22GJ |
出展:国土交通省 「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進協議会」
断熱の施工方法はすべて壁は壁内部と天井断熱で比較したもので、右側の方が断熱性能が高いことを示します。
上の表からも分かる通り、断熱性能をよくすると年間にかかる冷暖房費を減らすことができて、
断熱材無しと初めて省エネ基準が制定された昭和55年の基準を比較してみると約30%もコスト削減になっています。
それよりなお厳しくなった平成11年の省エネ基準と、断熱材無しとを比較すると約60%も省エネになり、
年間の冷暖房費は75,000円まで削減できます。
長い年月での冷暖房費の比較
この表から、昭和55年以前の無断熱で建てられた家と平成11年基準で建てられた家の冷房費を、
35年の長い年月で単純に比較してみると次のようになります。
無断熱:133000円×35年=4,655,000円
平成11年基準:52,000円×35年=1,820,000円
35年で比較するとトータルの冷暖房費の差額は 2,835,000円
驚くほどの差額と言えます。
このように断熱性能を上げるという事は建てた後の光熱費削減を実現できます。
付け加えると断熱性能を良くすることで、全館空調までしなくてもヒートショックに対する不安が減り、
日々の健康にも役立つことにもなります。
それでは次回をお楽しみに