TPP協定が合意
2016/12/06
先週の5日の月曜日の早朝に大きなニュースが飛び込んできましたね。
TPPいわゆる環太平洋パートナシップ協定が大筋合意との報道に大変驚きました。
9月後半から10月の初旬ごろはこのTPPの大筋合意はできないのではないかという新聞やニュースでも繰り返し報道されていました。
何か担当大臣の甘利さんは白髪が増えて少しやつれたようにも感じられます。
それだけ大変な協定交渉だったのでしょうね。
当然各国の利害がぶつかるのでそうは簡単に合意はできないということくらいは私達から見てもよくわかります。
TPPとは
TPPとは簡単にわかりやすく言うと、人や物などが行き来しやすくなるということだったり(間違ってたらごめんなさい)
貿易の仕組みがより簡素になるということかもしれませんね。
輸入品などに対して各国で独自にかかられている関税を撤廃して米や野菜 肉 乳製品などの農産物が安くなり、また関税を引き下げることで貿易の自由度が上がり自国の製品を輸出しやすくできるというものです。
TPPにはメリットとデメリットがある
このTPPにはメリットとデメリットがあり、日本も様々な議論の末に2013年から協定交渉に参加を発表しました。
経済のグローバル化はものすごいスピードで変化しているようですね。
それから2年余りでようやく協定交渉が合意となったわけです。
当然日本にとってもTPPのメリットとデメリットはありますよね。
海外からの安い米屋 乳製品や野菜 肉などが入ってくるので日本の農業には大打撃になるという予測もあり、国内の農家をはじめ農水産の業界では懸案事項になっています。
消費者の立場からすると安い食製品が入ることで選択肢が増えるので家計にも良くなることは間違いなさそうです。
材木業界にもこのような厳しい時期があった
家づくり工務店の私が今回のブログでこのTPPを取り上げたのは材木業界にもこのような厳しい時期があったからなんです。
都心で無垢の木の家づくりを柱に添えて普段から業務をしているのですが元々は材木商ということもあり木に対する愛着は当然あります。
TPPとはかなり性格が違うものですが昭和30年から40年代の高度成長期にあわせて木材の自由化があり、アメリカやカナダや東南アジアから大量の木材が輸入されました。
これは戦後住宅が不足していて住宅供給率を上げるための決定でもあったようですが、この自由化は我々材木業界には大変なことで安く大きな断面の材木が輸入されるのでそれまでは国産の木材を使用していたのがあっというまに海外の木材を使うようになりました。
それから国内の林業はずーと長い期間不況に苦しんでいます。
全国の製材所は相当な数廃業や倒産などの厳しい現状に会いました。
東京の新木場などは材木問屋は一時の半分以下にまで減っています。
30年以上前は新木場は地方から荷積みされた大型トラックが列をなしていたのをよく覚えています。
海外の木材は材自体の断面も大きく、それだけ適材適所に材を木取りできるので当たり前なんですがね。
日本では数寄屋造りなどでも和室の柱や鴨居や長押などは節が無く板目と正目がきちんとしていることが木材の価値のような風習があります。
ただ国内の木材は断面が小さいものが多く海外の木材とは比較になりません。
木材業界も長い不況に苦しんではいるのですが、それでも地域の特性や発想の転換でいまでは各木材の産地では様々な試みがなされてきて少しずつ木でメシが食えるようになってきています。
木を使う文化を今一度復活したい
木は日本文化の象徴ともいえると確信しています。
木を使う文化を今一度復活したい。
家造りだけでなく暮らしの中で何気なく無垢の木がある感覚
これからTPPで不況に苦しむ業界ができることがあるかもしれませんがその苦境を乗り越えて初めて未来があるように思えます。