木造軸組み工法の基本構成
2022/03/12
おはようございます。
土手加藤材木店の加藤です。
本日は弊社で採用している在来軸組み工法の基本的な構成を書いてみます。
まず初めに木造は縦部材と横部材と耐力壁の3つの構成から成り立ち、
それらの接合部を構造金物でつなぎそしてこれらを基礎で支えています。
基礎
建物の下にある鉄筋コンクリート造の部分で、建物の荷重を支えて地盤面との釣り合いをとる役割があります。
一般的にはベタ基礎と呼ばれる基礎底盤部分と基礎の立ち上がり部分とが一体となった基礎が採用されることが多く弊社でもこのベタ基礎を採用しています。
現状の建築基準法では基礎の上に建物が建てられることが原則になっていますが、
基礎は建物の荷重を支える部位となる重要な部分なので、
瑕疵担保保険などでは配筋検査が義務となっている。
また3階建ての住宅では、
構造計算結果から算出された鉄筋径や数量などが記載された証明書の提出や、
設計された基礎のコンクリート強度が確かなものかという試験結果の提出も同じく義務になっています。
土手加藤でも4号(木造2階建て)であってもこのコンクリート試験は必ず行っていて、
引き渡し時に試験結果をお施主様にお渡ししています。
軸組
縦部材とは軸組と呼ばれ主に柱を指します。
横部材は横架材とも呼ばれ主に梁や桁、また1階では土台のことをいいます。
木造の軸組み工法はこの土台と柱と梁を組み合わせていきます。
柱や通し柱などの縦部材は、市場に出回っている材木の既製品で賄えますが、
梁や土台は建物の大きさによっては定尺長さを超える場合があるので梁部材同士をつなぎ合せます。
これを継ぎ手といいます。
本来木造は継ぎ手を設けずに長い部材をそのまま使用した方がいいのですが、
山からの荷下ろしや運搬などを考慮すると部材の規格化を図ることが優先されます。
耐力壁
地震力や風圧力などの外力から建物を守るためにあります。
木造は柱と梁だけでは地震力などの水平外力には抵抗力がありません。
つまり柱と梁は点と点でつながっているだけなので地震力などが左右すると脆弱と言えます。
そこで柱と梁または柱と土台を4方の枠材として、
その間に筋交いや構造用合板を施工することで点と点だった部材は、
耐力壁が加わることで面となって外力に抵抗することになります。
耐力壁を建物の中で均等にバランスよく配置することが大変重要になります。
出来ることならば2階に配置をした耐力壁に下の1階にも同じように耐力壁を配置させた方が効果的なことは構造計算からも明らかです。
また木造における耐力壁は建築基準法で建物の規模(屋根の重さと階数)によってきちんと決められていて、
4分割法によって壁量計算ができるようになっています。
昨今建物の構造の安全性が叫ばれる中、2階建ても住宅にも壁量計算などを必須にするかの議論があります。
構造金物
前項の耐力壁で柱と梁はおのおのそれだけでは耐力要素にはならならず耐力壁が配置されることで構造を担保すると書きました。
筋かいを斜めに柱と梁の間に取り付けたり、
構造用合板を柱と土台に打ち付けたりしますがこの時に重要になるのが接合部における構造用金物です。
筋かいなどの斜材が入ると水平荷重が左右するときに、柱には引張荷重と圧縮荷重が働きます。
柱と土台はホゾと呼ばれるもので接合されていますが、
引抜荷重が働いた柱は土台にあるホゾ穴から抜け出そうとします。
これは柱と梁でも同じですが、
筋かい端部や柱と土台・梁などには外力が働くと大変大きな力が作用するために釘やビスだけでは簡単に外れてしまいます。
そこで各所接合部には適材適所に構造用金物を取り付けることが大変重要になります。
土台と柱、梁と柱にはホールダウン金物などの引き寄せ金物、
梁と柱の引き寄せには羽子板ボルト、
筋かい端部には脱落防止のための筋交い金物などが挙げられます。