筋かい補強金物で耐震性の高い家づくり
2016/12/06
台東区の浅草で無垢の木の家造りをしている設計事務所&工務店の土手加藤材木店社長の加藤です。
地元浅草では昨日はお酉様が開催されていたので、浅草周辺は沢山の人で賑わっていました。
もうお酉様の季節かー、
正直お酉様の季節になったとは思えないくらいの連日の暖かさですよね。
今年は三の酉の年なのでその時に行ってみようと思います。
さてこのブログで、筋かいの取付けの作業をご紹介し、耐震上の筋かいの重要な役割を書いてみました。
実は筋かいはそれ単体だけでは地震力に抵抗するわけではないのです。
どういうことと思うかもしれませんね。
上の画像は筋かいのみ取り付けた画像です。
筋かいは柱と柱の間の頭と脚の部分に斜めに取り付きます。
このことは前回もご紹介したので理解できるとおもいますが、この筋かいは斜めに取りついているがゆえに地震時に横からの力を受けると「つっかえ棒」のような役割をして地震力に抵抗するんです。
この「つっかえ棒」が地震時に柱と筋違との接点で大変大きな力となり筋かいが取り外れてしまうということが起きるんです。
筋かいは木造軸組み工法において耐震上の重要なファクターなのでこの筋違が外れないようにすることが重要になります。
そこで筋かいが地震時にはずれないようにするために金物で補強する必要があるんです。
それが上の画像の○印の金物で筋かい金物と呼ばれています。
この金物は筋かいと柱の接点を繋ぎ止めておくための金物で大変重要な役割があるんです。
上段で筋かい単体では地震力に大きな効果がないというのはこういうことだったんです。
つまり筋かいと筋違金物のセットで初めて地震力に抵抗できるんです。
筋かいを取り付けたら必ずこの筋かい金物を全ての箇所に取り付けなければなりません。
この筋かい金物は建築基準法においてその仕様規定で具体的にきちんと定められているんです。
この金物既定の仕様が決まるまでは木造の耐震性能にはばらつきがあったといわれています。
この規定がないために木造軸組み工法では構造計算方法が明確にならなかったのです。
木造住宅の設計では「筋かい端部」、「柱頭・柱脚」、「横架材」の3つの接合部が重要と言われています。
この金物の規定が定まってから木造軸組み工法の耐震性能は飛躍的に上がったと言えるでしょう。
現実に木造耐火1時間構造では4階建てまで木造で建てることが可能になっています。
この基準法での仕様が定まったことにより、現場でも大工作業がスムーズにできることになりました。
それだけに現場での筋かいの取付け作業は非常に大切になります。
今回は筋かいを補強するための筋かい金物の重要性に関してわかりやすく書いてみました。
次回もお楽しみに!