木造耐火構造では構造材の表しはできません
2017/08/10
おはようございます。
土手加藤材木店の加藤です。
台風の影響で甲子園は1日開幕延期になりましたが、
昨日無事に開幕しました。
初戦から熱戦でしたが、
今年も高校生野球人の熱い戦いが毎日楽しみです。
さてこのブログでも何度か取り上げていますが、
防火地域で3階建ての家づくりを検討されている方から質問されることの一つに、
耐火構造についての構造材の柱や梁の表しについてがあります。
結果からにはなりますが、構造材の柱や梁の表しはできません・・・
はい、申し訳ないんですができないんです。
防火地域でも2階建てで100㎡以内であれば準耐火構造で建てることは可能なので、
この場合には「燃えしろ設計」という手法で構造材の柱や梁の表しは可能です。
燃えしろ設計というのは、
通常可燃物とされる木材は燃えると表面が炭化して、
それ以上は燃えにくくなるという特性を利用し、
許容応力度計算でその燃えしろ分を加味して柱や梁の断面寸法を決めるという設計手法。
これは準耐火構造でよく使われる手法です。
ただし耐火構造に関しては燃えしろ設計も適用は出来ないんです。
耐火構造は木造でも鉄筋コンクリートでも鉄骨造でも同じですが、
火災が発生して消防による消火後に構造体が自立して建ち続けるのが耐火構造の基本的な考えですので、
構造体が火災の影響を受けることはできません。
ですので構造体である柱や梁を石膏ボードでグルグルに覆い隠す必要があるわけです。
あるお客様から、
「せっかくの桧の柱なんだからボードで隠しちゃうのはもったいないね」
と言われたことがあるのですが仕方がないことです。
それでも木造耐火構造が可能になり木造の可能性は無限大に広がったことは間違いありません。
都心の防火地域でも木の質感たっぷりの家を建てることは可能です。